サイ・ヤング賞右腕バウアーの移籍先が見つからず…年俸は格安30億円なのにナゼ?
サイ・ヤング賞投手ながら、なかなか所属の決まらないのがトレバー・バウアー(31)だ。
ドジャースは日本時間13日、戦力外としていたバウアーを自由契約にした。すでに40人枠から外し、ウエーバーにかけていたものの、トレード先を見つけられずにリリースした。
バウアーはレッズ時代の2020年にサイ・ヤング賞を獲得。シーズン後にFAとなり、3年総額約140億円でドジャース入り。が、移籍1年目の21年シーズン中、女性から性的暴行を受けたと告発され、MLBに出場停止処分を科された。メジャー10年間の通算成績は83勝69敗、防御率3.79。ケガさえなければ、コンスタントに2ケタ勝利の計算が立つ右腕だ。
今季年俸の約30億円はドジャースが負担することになる。つまり格安で獲得できるにもかかわらず、メジャーでは現時点で引き取り手がないのはなぜか。野球文化学会会長で、名城大准教授の鈴村裕輔氏はこう言った。
「女性への性的暴行に関しては結局、法的処分を受けませんでした。大きいのは投手の粘着物質問題でしょう。メジャーは21年6月から急遽、粘着物質の使用を厳しく取り締まるようになりましたが、きっかけをつくったのがバウアーです。アストロズの投手陣が強力な粘着物質を使っている疑いがあると指摘、実際に回転数が上がったデータを投稿したりした。それまで暗黙の了解だったものを公にしたことで、球界内で裏切り者扱いされたのです。年俸が安くても、そういった投手を獲得すれば、球団内部で波紋が生じるという判断が働いているのでしょう」