全国女子駅伝は“駅伝のための駅伝”に…創設から40年も「マラソン強化」の理念すでになし
とはいえ、今のニッポンは全国各地でタスキリレーが開催される駅伝王国だ。マラソンに興味を持たせ、育てるどころか選手を疲弊させてスポイルしているのが現状ではないか。
それを象徴しているのが、1万メートルで日本歴代3位の記録を持つ不破聖衣来(19)の一件。2021年、全日本大学女子、東日本、富士山駅伝で圧巻の走りを見せ、昨年の全国女子駅伝も4区(4キロ)で13人を抜き、12分29秒の区間新記録を打ち立てたが、その後は故障に泣かされた。
昨年末の富士山駅伝は大事をとって欠場したものの、15日の全国女子駅伝には群馬でエントリーしている。今年の世界陸上と24年パリ五輪で1万メートルの代表を狙い、その後はマラソン転向を考えている不破にとって、この駅伝がどれだけ重要なのだろうか。
男子は言うに及ばす、女子も04年アテネ大会金メダルの野口以降、五輪マラソンはさっぱりだ。「駅伝のための駅伝」になっている全国女子駅伝は大会創設時の理念をとっくに失っている。