青木功会長の報酬はPGAツアー会長の100分の一以下…数字に表れた日米ゴルフ“ビジネス感覚”の差
そういえばR&A(全英ゴルフ協会)のマーチン・スランバーズCEOもドイツ銀行出身。ソロモン・ブラザーズからドイツ銀行のグローバル部門のトップを経て、いまR&Aビジネス部門のCEOに就いている。
R&Aは利益を目的とする団体ではなく、ゴルフルールなどを統括するゴルフクラブ部門と全英オープンなどを主催するビジネス部門に分かれており、スランバーズ氏はビジネス部門のトップだ。給与は公表されていないものの、ワウフ氏よりは上とみられている。
マスターズを開催するオーガスタナショナルGCも、組織上ではマスターズ委員会とゴルフクラブが分かれているが、運営するトップは同じフレッド・リドリー会長だ。
USGA会長を経て、オーガスタのメンバーとなり会長になった。とはいえ、メンバークラブの会長ということで、基本はボランティアのはず。経費などは全て出るのだろうが、給与が出ているにしても、そう大きな金額ではないはずだ。
もっともオーガスタのメンバーのほとんどは、金持ちで金融畑の出身。リドリー会長も投資銀行出身だ。ビジネス感覚を持っていないと、ある意味、スポンサーやテレビ、ネットの放映権といった交渉もできず、トーナメント以外のビジネス交渉もできない。
PGAツアーのコミッショナーは、金儲けにガツガツし過ぎの感があるが、じり貧JGTOツアーのトップに立つ青木会長は、高報酬でビジネス部門の有能スタッフを招聘する必要があるだろう。
(ゴルフライター・吉川英三郎)