佐々木朗希「110球完投」構想に2つの障害…オリ宮城と投げ合い痛み分けもバテバテ明らか
脆弱な打線のしわ寄せが精神面の負担に
もうひとつは打線の問題だ。チーム本塁打42はリーグワースト。総得点223はリーグ4位(いずれも27日時点)。例えば今月4日の阪神戦は6回を1安打1失点、10奪三振の好投ながら、打線の援護がなく敗戦投手になった。打線が脆弱なしわ寄せが、結果として佐々木にいくことになる。
「バッターがもっと打ってくれたら、佐々木の精神面の負担も減るのでしょうが、僅差の試合を拾っていくのが今季の勝ちパターン。打線の援護が期待できないだけに、相手に点を与えてはいけないというプレッシャーは相当なものです」(同)
精神面の負担が大きく、本来のパフォーマンスが発揮できなくなるかもしれないというのだ。
■同期の宮城との投げ合いは痛み分けもチームは3位転落
さて、27日夜の佐々木はオリックス戦に先発して7回を5安打1失点(自責点0)。二回に中堅・藤原の適時失策によって1点を失ったものの、最少失点でしのいだ。六回まで毎回の10奪三振、今季6度目の2ケタ奪三振で計96三振は依然、リーグトップだ。
とはいえ、内容が良かったわけではない。二回に浴びた3連打はストレートやフォークが甘く入ったもの。フォークの多くはワンバウンドで、そのたびに捕手の佐藤を慌てさせた。しかも4暴投に2失策で自らピンチを広げたほど。
七回は先頭の紅林に左前打を浴びた直後、自らベンチへ右指で合図を送った。黒木投手コーチとトレーナーが駆け付けてマウンド上で話し合うと、いったんベンチへ引き揚げる一幕も。数分後にマウンドに戻った右腕は投球練習で状態を確認、そのまま七回を投げ切り、計107球で降板した。
制球の良い佐々木が暴投や悪送球を重ね、イニングの途中にもかかわらず、トレーナーを呼んでベンチに戻った。「足がつりそうになっただけです。指に問題は? 全然です」とは試合後の本人だが、疲労が蓄積しているのは間違いなさそうだ。
この日は同期で、同じくWBCのメンバーだった宮城(21)との投げ合いだった。非力な打線は案の定、好投手相手に八回まで3安打無得点と沈黙した。九回にいったんは同点に追い付いて佐々木の負けは消えたものの、肉体的なダメージに加えて点はやれないという精神的な重圧も大きかったに違いない。
ロッテはこの日、オリックスにサヨナラ負けで、3位に転落した。