“片思い”だった中日相手にプロ初猛打賞 阪神・前川右京が「ドラ4」に甘んじたワケ
「まだまだ守備の不安はありますけど、高校時代の評価を覆す活躍といっていいでしょう」
阪神の高卒2年目・前川右京(20)について、ある球団の関西担当スカウトがこう言った。
昨27日の中日戦は3番右翼でスタメン出場。プロ初の猛打賞で打率を3割(.304)に乗せ、チームの首位返り咲きに貢献した。
三重県津市生まれ。智弁学園高時代は1年次から4番を任されるなど、打撃に定評があった。一時はドラフト上位候補といわれ、3年夏の甲子園は準優勝。大舞台での実績もあるが、21年ドラフトでは4位に甘んじた。
「中部地方出身とあって、智弁学園高時代にはテレビで『中日に入りたい』と、中日ファンを公言した。ただ、思い切りのいい打撃は評価できても、外野守備を不安視されていたことが下位指名になった要因。打球の追い方、スローイングに難があり、指名打者がないセ・リーグでは難しい、とみるスカウトが少なくなかった」(冒頭のスカウト)
片思いに終わった中日相手に大活躍。プロ初のお立ち台で「凄い先輩たちの中で1日1日勉強と思って、必至に食らいついています」と初々しい笑顔を見せた新星が、前日まで5連敗で何かとイライラを募らせていた岡田監督も笑顔にした。