110m障害・泉谷駿介の恩師「あの走りで5位ならよくやった」順大陸上部顧問の世界陸上観戦記
世界陸上男子110メートル障害決勝で、日本記録保持者の泉谷駿介(23)が13秒19の時計で5位入賞を果たした。この種目で日本選手の決勝進出は初。順大時代に泉谷を指導した越川一紀氏(現順大陸上部顧問)は、このレースをどう見たのか。
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13秒16で1着だった準決勝(1組)は、勝とうとせず、力まず、ハードルに当たらず、楽に走っていた。決勝までは約1時間30分ぐらいあったが、その間に長めのマッサージを受けていたようなので疲れがあったのかもしれない。スタートした瞬間に両脚がつったのは不運だったが、これに関しては疲れというより精神的なものだろう。
かつて、棒高跳びの沢野大地(リオ五輪7位)が、大舞台になるとよく脚がつっていたことを思い出した。準決勝のレース内容が良かったので3位までに入りたいという気持ちが強くなったと思う。決勝は1台目のハードルから突っ込んでいき、2台目で抜き脚をひっかけ、6、7、9台目も倒した。
いつもより高く跳び、バランスも乱れ、あれだけハードルにぶつかりながら13秒19の5位入賞ならよくやったといえる。脚がつったり、腰のナンバーカードが左手についてしまうアクシデントがありながらもこの成績を上げられたのは、ダイヤモンドリーグの経験が大きいと思う。