日本ハム新庄監督のキモ煎り企画…「トライアウト」の悪すぎたコスパ
《新庄監督の再生工場》
しかし、この擁護は的を射ているのだろうか。たしかに、移籍組の奮闘は目立っていた。昨オフにソフトバンクから人的保障で獲得した右腕・田中正義(29)を抑えに抜擢すると、これがハマり、リーグ5位の25セーブをマーク。昨オフに中日から加入したマルティネス(27)や、今季途中に中日からトレードで加入した捕手の郡司裕也(25)らも存在感を放っていた。
生え抜きの選手で言えば、プロ5年目の万波中正(23)だろう。シーズン終盤まで本塁打王争いに絡み、141試合で25本塁打、打率はチーム2位の.265をマークした。
とはいえ、だ。裏を返せば、1年間を費やした異例の「トライアウト」を通じて、万波ただひとりしか芽が出ていないことになる。「もともと万波はポテンシャルが高く、練習量はチーム随一だった。遅かれ早かれ覚醒していただろう」という声が球団内からも聞こえているのは事実。結果的に「トライアウト」のコストパフォーマンスが高かったとは言いがたいのだ。
「この世界は結果がすべて。来年も今年のような成績であれば、ユニホームを脱ぐという覚悟で、死ぬ気で選手を成長させながら戦っていきたいと思います」(来季続投が決まった際の新庄監督)