男女混合リレー競歩は相反する感情が共存する都会的なスポーツ パリ五輪でも注目種目だ
都心開催がいい。阪神の優勝パレードに沸いたばかりの御堂筋、見上げれば林立するタワーマンション。競歩は急ぎたくとも走ってはダメ、ビデオ無用の審判による目視判定……勝ちたい欲望と他人の目を意識する葛藤は都会的で、そこに男女が絡む風景は御堂筋によく似合う。
主催が大阪陸協というのも特徴だろう。日本陸連の主催となると、どうしても運営が杓子定規になって面白さを削いでしまう。それは「静粛に!」で縛られる国内のテニス大会の堅苦しさで証明済みのことなのだ。
42.195キロの競歩の場合、選手は観客の前を約80回も通過する。何もじっと見つめている必要はない。来年は前川清にでも来てもらって「中の島ブルース」でも聞きながらの賑々しい観戦はどうだろう。競歩はいまや数少ない日本の有力種目。ここで盛り上げない手はない。
元国会議員で元五輪代表の石川県知事によれば、東京五輪招致に際し1冊20万円の「想い出アルバム」を100冊もIOC委員に贈ったそうだ。
そんなもの終活の邪魔になるだけで、とんだ笑いものである。その金があれば、日本のスポーツはもっと楽しく変わるのだ。