ソフトバンク小久保監督 常勝ホークスを知る新指揮官が明かす「指導哲学」と「チーム再構築」
2023年シーズンは3年連続V逸を喫したソフトバンク。このオフに就任した小久保裕紀新監督は、常勝と呼ばれた王監督時代に「不動の4番」としてチームを牽引し、リーダーシップを発揮。松中信彦、井口資仁、城島健司といった並み居るスター選手の兄貴的存在だった。満を持して古巣を率いることになった新指揮官に、指導者としての哲学とチームの再建プランを聞いた。
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──就任会見の際、「トライアル&エラーを繰り返し、古き良きものと古くさいものを選別したい」と話していました。
「古くさいものとは、例えば経験や感覚のみに頼った指導です。指導者自身はよかれと思っていても、それがチーム方針や選手の意思に反する一方通行の押し付けではいけません。今はさまざまなことが数値化されている時代。そこは僕ら首脳陣も念頭に置かなければいけません」
──では、古き良きものとは?
「王さん(元監督、現球団会長)がホークスの監督になってから、『中心選手が声を出してナインを引っ張っていく』という伝統が続いています。これは今後も受け継いでいってほしい。監督就任にあたって、球団から『王イズムの継承を』という話もありました。グラウンド内でもロッカールームでも、中心選手は他の選手の手本として隙を見せない姿勢を心がけることが大事。若手は先輩の背中を見ている。そうした選手がいることはチームの今後のためにも重要なんです」
──13年からプロでの指導者経験がない状態で侍ジャパンの監督を務めた。その際も、選手に「手本になれ」と話していた。
「代表チームは各球団のトップ選手が集まる。彼らがチームに戻った時、腫れ物扱いされるような存在になってほしくなかったんです。幸い、今のホークスにそうした選手はいませんが、他の選手に気を使われたり、機嫌をうかがわれたり、ではいけません。むしろ、首脳陣から『アイツを見てみろ。おまえらはあそこまでやっているか?』と若手に対して引き合いに出されるほどの選手になれ、と」