マラソン記録にこだわるなら「直線29.2km」日本一の国道走れ! 別府大分毎日は蛇行、強風、高低差
平凡な「記録」に終わった。
先月28日の大阪国際女子マラソンは、2時間18分59秒で優勝した前田穂南が19年振りに野口みずきの日本記録(2時間19分12秒)を更新した。
4日の別府大分毎日マラソンも、男子の記録更新が期待されたが、優勝したワークナー・デレセの時計は2時間7分58秒。日本人1位は2位でゴールした下田裕太の2時間8分24秒。2時間4分56秒の日本記録には遠く及ばなかった。
今大会はパリ五輪とは無関係でも、来年の世界陸上東京大会につながる大事なレース。30キロまではペースメーカー(PM)が先導し、1キロ3分のペースを刻み、ゴール予想は2時間6分35秒だった。男子も大阪国際の前田のように早めにPMの前に出てロングスパートをかければ、大会初の2時間5分台も出たかもしれない。
舞台は別府湾沿いを走る平坦で真っすぐな高速コースで、道幅も広く記録が出やすいと言われている。それでも別府湾からの強風は選手泣かせで、高低差6メートルの弁天橋はこの大会で難所。蛇行して位置取りに気をつかう箇所もある。この日は風は弱く、陽も照らず、記録を狙う条件は揃っていた。今年のパリ五輪を狙う有力選手は3月の東京マラソンに照準を合わせているという事情はあったにせよ、2時間8分を切った日本人選手がいなかったのは寂しい限りだ。