大谷翔平「希代の野球好き」の落とし穴…無理押して出場→全力プレーが招く最悪事態
昨年暮れのNHKのインタビューではスライダーについて、「浮力をちょっと上げる代わりに横幅が狭くなったりとか、浮力を落とす代わりに横幅を広くしようとか」「ピッチングはデザインみたいな感じと言われているので、どういう形にデザインしていくか」と話している。ピッチングを自分でデザインするのが好きで楽しいのだ。
巨人からヤンキース時代にかけて1768試合連続出場の松井秀喜は、自著「不動心」の中で「好きな野球で常に勝ちたい。『好きこそものの上手なれ』は、物事の核心をついていると思う」と書いている。心底、野球が好きで楽しい。だからこそ休まなかったし、結果としてワールドシリーズMVPを獲得することもできたのではないか。
大谷も同じ思考が根底にあるのだろうが、その思いが強過ぎるだけに体にかかる負担はハンパじゃない。件のダブルヘッダーでは2本目の本塁打を打った直後からけいれんに悩まされ、シーズン終了間際に2度目の右肘手術をするハメに。野球が好きで、面白いがゆえに、無理を無理と思わず、取り返しのつかないことになりかねないのだ。