大谷が米国人の「笑顔とベタ褒め」を真に受けてはいけない理由…背後に納得の日米文化差異
そういえばメジャーの監督は、選手の悪口をほとんど言わない。日本人選手がどれだけミスをしても、どんなに不調が続いても、決してなじったりはしない。「野球はミスのスポーツ」「能力はある」などと、むしろ褒めたりもする。アメリカ人はウソつきなのか。
「う~ん、ウソつきと言えば、ウソつきかもしれません」と米紙コラムニストのビリー・デービス氏が苦笑交じりにこう続ける。
「大袈裟な言い方をしたり極端な表現をしたりするのはある意味、アメリカの文化なのです。たとえばよく、『wait a minute』『wait a second』(ちょっと待って)と言うじゃないですか。厳密に言えば、ほんの少し待ってという意味ですが、10分以上待たせることも珍しくないし、待たされる方も文句は言いません。大谷を本物の化け物と表現するのも一緒です」
藤浪晋太郎(30=メッツ傘下)を筆頭に「ポテンシャルはスゴい」などと言われながら、結果が伴わずにさっさとマイナーに降格させられた日本人選手はごまんといる。
大谷に関してもアメリカ人は「ユニコーン」などと表現しながら、腹の中は別。相手投手は打たれるくらいなら歩かせるし、この日のように「伝説上の一角獣」に対して死球を見舞うこともいとわないのだ。