楽天・三木監督 初めて明かす黄金ルーキー宗山塁の掛け値なし評価、村林一輝との遊撃争い
三木肇(楽天/監督/47歳)
昨年ドラフトで5球団競合の末、楽天入りした宗山塁(21=明大)。多くの注目を集める中、初の対外試合で全3打席に出塁、昨18日の広島戦でも適時打を含む2安打をマークするなど、適応力の高さを見せている。
その黄金ルーキーの掛け値なしの評価は、昨季遊撃レギュラーの村林とのポジション争いは……。二軍監督から昇格し、2020年以来5年ぶりに一軍を率いる指揮官に聞いた。
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──宗山の現時点での評価は?
「ありきたりな言い方ですけど、いい選手だなと。伸びしろがすごくあるなって感じてます。現時点でもある程度、できることは多いですけど、質、スピード、パワーなどが身についていけば、まだまだいろんな可能性を秘めているなと。もちろん、新人なので日を重ねるにつれて、いろいろ課題は出てくると思いますが、それを差し引いても、やれることが多いなと思います」
──初の対外試合では全3打席に出塁するなど、適応力を見せています。
「ドラフト1位で多くの注目を集める中でも、キャンプ初日からいい意味で周りに左右されることなく、練習しているなと。自立性の高い選手だなと思います。練習でやっていることを試合でちゃんと表現できる能力が高いなと。試合を逆算して取り組んでいるのかな、という部分が見えたりもします」
──課題は?
「幸いにもこれまで多くの選手を見させてもらいましたが、1年目の選手がだいたい口をそろえて言うのは、年間通して野球をする体力、気力の部分。大学時代とは違い、毎日、試合があり、数字を追いかけられて、移動があって、心身共にタフさが求められる。本人にはキャンプ初日に『1年目、シーズンでどれくらい疲れたり、喜びを感じたりしながらやれるかどうかは、なかなかイメージはつきづらいものだけど、成功したことや、失敗、ミスを含めて思うようにいかなかったことは、すべて財産にしてほしい』と話しました。
それがやっぱり彼の可能性を広げると思う。その先の糧になって、課題を克服する力になる。そこに関しては、情報処理の能力が高そうだし、あまり心配はしていません。あとは、『大きなケガに注意しながら、1年間まずはやってみよう』ということ。オープン戦を経て公式戦に入れば、力のある選手たちがもっと気持ちを込めたり、本気で投げてきたり、質、技術のともに高いレベルでのぶつかり合いになる。壁にぶつかることもあるかもしれませんが、いろんなものを得る1年にしてほしいし、それを経験としてその先につなげていけたら、どんどん伸びていくんじゃないかという期待はしています」