「絶対に行けない世界の非公開区域99」ダニエル・スミス著、小野智子、片山美佳子訳

公開日: 更新日:

「ガザの地下トンネルから女王の寝室まで」のサブタイトルが示す通り、選ばれたごくわずかしか立ち入りを許されていない、もしくは何人たりとも許されない非公開の公共の場所を、写真や地図などで案内してくれる面白ガイドブック。

 国家レベルの機密事項を守らなければならない軍事施設や政府機関をはじめ、高度なセキュリティーでデータを守る民間企業や団体の施設、そして謎に包まれた宗教施設など、それぞれの非公開の理由はさまざま。

 ユニークなのは、米国のテキサス州立大学の管理下にある法医人類学研究施設(FARF)。

 大学が所有する10・5万平方メートルもの敷地に人工的に森林や池を造ったこの施設は、野外に放置された人間の死体が分解していく過程を観察し、犯罪科学捜査に役立てる別名「死体農場」なのだ。

 ここは頼まれても訪ねたくない場所だが、掲載された多くは、鉱山の廃坑を利用して地下60メートルに造られた世界トップレベルのデータ管理会社アイロンマウンテン社の保管施設や、サッカーグラウンド4面がすっぽり収まるほどの広さに莫大な金の延べ棒が積み上げられた英イングランド銀行保管庫、災害や絶滅に備え世界中から植物の種を預かっているノルウェーの「スバールバル世界種子貯蔵庫」など、近づくことさえ困難な場所ばかりだ。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊川怜の元夫は会社が業績悪化、株価低迷で離婚とダブルで手痛い状況に…資産は400億円もない?

  2. 2

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  3. 3

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  4. 4

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  5. 5

    斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑

  1. 6

    渡辺裕之さんにふりかかった「老年性うつ」の正体…死因への影響が報じられる

  2. 7

    水卜ちゃんも神田愛花も、小室瑛莉子も…情報番組MC女子アナ次々ダウンの複雑事情

  3. 8

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 9

    菊川怜は資産400億円経営者と7年で離婚…女優が成功者の「トロフィーワイフ」を演じきれない理由 夫婦問題評論家が解説

  5. 10

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”