「木村伊兵衛のパリ」木村伊兵衛著 田沼武能監修

公開日: 更新日:

 日本で目にしたフランスの写真家アンリ・カルティエ・ブレッソンのプリントに「写真の使命を忘れていた」と衝撃を受け、彼と会うのがパリを訪ねた第一の目的だった。カルティエ・ブレッソンの紹介で木村は、ロベール・ドアノーとも親交を結ぶ。ロベール・ドアノーは、とっておきの撮影場所や人々の居る場所を惜しげもなく案内してくれたという。そうして撮影されたパリ祭の日に裏町の路上で踊る人々など、ドアノーと木村の両者が愛した下町の風情も数多く収録されている。

 デジタル撮影の映像に慣れた目に、その場の空気感や温度さえも感じられるような温かみのある氏の作品は、新鮮に感じられるに違いない。

 巨匠のすごさを改めて感じる。

(朝日新聞出版 1600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    都知事選2位の石丸伸二氏に熱狂する若者たちの姿。学ばないなあ、我々は…

  2. 2

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    竹内涼真“完全復活”の裏に元カノ吉谷彩子の幸せな新婚生活…「ブラックペアン2」でも存在感

  5. 5

    竹内涼真の“元カノ”が本格復帰 2人をつなぐ大物Pの存在が

  1. 6

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  2. 7

    二宮和也&山田涼介「身長活かした演技」大好評…その一方で木村拓哉“サバ読み疑惑”再燃

  3. 8

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 9

    小池都知事が3選早々まさかの「失職」危機…元側近・若狭勝弁護士が指摘する“刑事責任”とは

  5. 10

    岩永洋昭の「純烈」脱退は苛烈スケジュールにあり “不仲”ではないと言い切れる