「沈みゆく大国アメリカ〈逃げ切れ!日本の医療〉」堤未果氏

公開日: 更新日:

 では、どうしたら日本の医療がそうした地獄絵図にならないで済むのか。

「赤字1000兆円だから消費税を上げねばならない、少子高齢化で医療費が破綻するから自己負担を上げねばならないという思い込みを見直すことですね。消費税増税分は法人税減税で相殺、いくら消費税を上げても医療費確保にはつながりません。むしろ希望は、長野県佐久市などで実践されてきた地域医療にあると思います。病気予防に力を入れ、生活改善によって医療費を節約できています。これまで日本の国民皆保険を支えてきたこうした助け合いの精神こそが、今、必要ではないでしょうか」(集英社 740円+税)

▽つつみ・みか 東京生まれ。ジャーナリスト。ニューヨーク市立大学大学院で修士号取得。「報道が教えてくれないアメリカ弱者革命」で黒田清日本ジャーナリスト会議新人賞受賞。「ルポ 貧困大国アメリカ」で日本エッセイスト・クラブ賞、新書大賞受賞。


【連載】著者インタビュー

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    「とんねるず」石橋貴明に“セクハラ”発覚の裏で…相方の木梨憲武からの壮絶“パワハラ”を後輩芸人が暴露

  2. 2

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  3. 3

    参院選で自民が目論む「石原伸晃外し」…東京選挙区の“目玉候補”に菊川怜、NPO女性代表の名前

  4. 4

    NiziU再始動の最大戦略は「ビジュ変」…大幅バージョンアップの“逆輸入”和製K-POPで韓国ブレークなるか?

  5. 5

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  1. 6

    サザン桑田佳祐の食道がん闘病秘話と今も語り継がれる「いとしのユウコ」伝説

  2. 7

    我が専大松戸の新1年生は「面白い素材」がゴロゴロ、チームの停滞ムードに光明が差した

  3. 8

    逆風フジテレビゆえ小泉今日子「続・続・最後から二番目の恋」に集まる期待…厳しい船出か、3度目のブームか

  4. 9

    新沼謙治さんが語り尽くした「鳩」へのこだわり「夢は広々とした土地で飼って暮らすこと」

  5. 10

    石橋貴明のセクハラ疑惑は「夕やけニャンニャン」時代からの筋金入り!中居正広氏との「フジ類似事案」