名著から“男の飲み方”を学ぶ 文人がつづった「大人の酒場学」
■「酒呑みの自己弁護」山口瞳著
あるとき著者は、バーで高見順に遭遇。高見はオッという顔になり、目だけで応答した。それが色っぽくも粋に見えた。著者は「銀座の高級酒場に行ったときは、高見風にいこう! と決心した」。よって、酒場では隣の客に話しかけてはいけない。酒場は一人静かに飲んだり、友人と話に行く場所である、というのが山口氏の信条だ。
またバーは酒によって店を選ぶのが正しく、「ジンフィズを飲むならここ」などと店を選ぶことに、酒飲みの楽しみがある、とも。
今夜からダンディーに飲もうではないか。(ちくま文庫 1400円+税)