「世阿弥の世界」増田正造著

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 能の完成者にして、その芸術理論が現代のさまざまな分野に影響を与えている世阿弥の作品と精神を読み解く能入門書。

 世界に現存する最古の演劇である能は、600年以上にわたって演じ継がれてきた。鬼夜叉と名乗り希代の美少年だった世阿弥は、父・観阿弥とともに舞台に立った折に将軍・足利義満の目に留まり、その寵童となって最高の教育を受ける機会に恵まれた。長じて世阿弥は、「死」の視点から「生」の時間を眺めるという逆転の発想による「夢幻能」という最大の「発明」に至った。

「井筒」などの代表作や、秘伝書「風姿花伝」などを解説しながら、その作劇術や芸術論の神髄に迫る。(集英社 760円+税)



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