「自分という奇蹟」五木寛之著

公開日: 更新日:

 生き方、考え方の基本を説いたエッセー集。

 気持ちが滅入って仕方がないとき、著者は困難な状況の中で生き抜いた人の悲惨な運命のことを考えることにしているという。そんなときに思い出すアウシュビッツ強制収容所から生還した医師が書いた本「夜と霧」を紹介しながら、夕日の美しさに見とれるなど、日常なにげなくやっているようなことが、人間に生きる力を与えてくれたり、強く支えてくれたりすることがあると説く。さらに1本のライ麦の苗が1万キロ以上の根を張り巡らすことを例に、私たちはたくさんのものに支えられて奇蹟的に生きているのだと、失敗を重ねても、偏見に包まれても、生きていることにまず価値があることを伝える。(PHP研究所 600円+税)



【連載】文庫あらかると

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  2. 2

    中日1位・高橋宏斗 白米敷き詰めた2リットルタッパー弁当

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  5. 5

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  1. 6

    悠仁さま「学校選抜型推薦」合格発表は早ければ12月に…本命は東大か筑波大か、それとも?

  2. 7

    【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」

  3. 8

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 9

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  5. 10

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議