公開日: 更新日:

「写真紀行 心に残る「三国志」の言葉」小松健一著

 今から約650年前に書かれた「三国志演義」の中にある名言や名ゼリフを厳選。小さなハンドブックサイズながら、その原文、書き下し文、日本語訳に、その言葉が生まれた舞台の美しい写真とリポートを添えたぜいたくな一冊だ。魏・呉・蜀の3国が競い合い、軍師・諸葛孔明が活躍した乱世の時代に英雄たちは何を語り、どのように人々を導いたのか。

 曹操に侵攻され、江陵へ行く計画を立てた劉備が孔明に言ったのは、「大事を挙ぐる者は必ず人を以て本と為す 今 人の我れに帰すに奈何ぞ之を棄てん」(大事を挙げようと思う者は、必ず人をもととせねばならぬ。いま人がわしのもとに集まってきておるのに、どうして見捨ててなぞ行けようか)。

 生きるか死ぬかの境界線を生きた彼らの言葉を読めば、社会の中で日々成果という名の数字に追われがちな現代人の葛藤も吹けば飛ぶようなものに思えてくるに違いない。(新潮社 1500円+税)

【連載】ザッツエンターテインメント

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  2. 2

    中日1位・高橋宏斗 白米敷き詰めた2リットルタッパー弁当

  3. 3

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  4. 4

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  5. 5

    眞子さん渡米から4年目で小室圭さんと“電撃里帰り”濃厚? 弟・悠仁さまの成年式出席で懸念されること

  1. 6

    悠仁さま「学校選抜型推薦」合格発表は早ければ12月に…本命は東大か筑波大か、それとも?

  2. 7

    【独占告白】火野正平さんと不倫同棲6年 元祖バラドル小鹿みきさんが振り返る「11股伝説と女ったらしの極意」

  3. 8

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 9

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  5. 10

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議