「マンモスのつくりかた」ベス・シャピロ著、宇丹貴代実訳
クローン作製の現状と展望を解説した科学本。
絶滅種の復活=脱絶滅は、新たな一分野として研究が進んでいる。しかし、絶滅して久しいリョコウバトやマンモスなどのクローン作製は現実的ではないという。その代わりとして、戻し交配やゲノム編集技術を用いて、絶滅種の特徴的な形質を現存種のなかによみがえらせる方法を提唱。絶滅によって失われた種の多様性を取り戻し、生態系を健全に維持するためには、必ずしも絶滅種とまったく同じ種をよみがえらせなくてもよく、必要な形質をもった種を誕生させれば事足りるからだ。しかし、絶滅種と現存種の雑種の居場所をつくるためにはさまざまなリスクもあると、脱絶滅へのロードマップを提示。(筑摩書房 2200円+税)