「古書泥棒という職業の男たち」トラヴィス・マクデード著、矢沢聖子訳

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 マンハッタンの書店街「ブック・ロウ」で20世紀初頭に起きた盗本事件をテーマにした犯罪ノンフィクション。

 1926年ごろから約5年間、「ブック・ロウの窃盗団」が暗躍。驚くべきことに窃盗団のリーダーは、古書店主たちで、彼らの本の入手先は公共の図書館だったという。彼らは店の客らを「書籍発掘要員(ブック・スカウト)」に仕立て、稀覯本のリストと共に、それが図書館のどの書架に行けば見つかり、どのようにして手に入れるかを指示。

 1829年にわずか250部だけ刷られたエドガー・アラン・ポーの無名時代の詩集を巡る窃盗団とニューヨーク公共図書館の特別捜査員の攻防を軸に描かれ、ミステリーさながらの読み応えだ。(原書房 2500円+税)


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