「代体」山田宗樹著
人間の意識を肉体から取り出す技術が確立。長期入院を余儀なくされた患者らは、専用の人造人体「代体」に意識を移送させ、治療による肉体的苦痛を味わうことなく、普通の社会生活を送ることが可能になった。
最先端の代体を売るメーカーの営業マン・八田は、レベルFのトラブルが発生したと連絡を受け、病院に駆け付ける。がん治療で代体を使用中の喜里川の本体が治療の副作用で死亡してしまったのだ。代体のエネルギーは最長31日しか持たず、代体から代体への意識の移送は法律で禁じられている。数日後、八田は自分の葬式を終えた喜里川がエネルギー切れ2日前に姿を消したことを知る。
禁断の領域に踏み込んだ長編エンタメ。(KADOKAWA1700円+税)