「息子ってヤツは」室井佑月著
塾で下のクラスに落ちてしまった息子は「オレの力はこんなもんじゃない」。元日からと言ってたのに4日からドリルをやると言い、超天才児のAは絶対に正月は勉強してないと言う。
室井は「Aくんは羽があってひゅんと崖のてっぺんまで飛んでいける鳥だけど、おまえは鶏みたいな飛べない鳥だからくちばしも爪も使って崖のてっぺんまでよじ登らなきゃいけないんだよ」と諭す。決まった! と思った瞬間、室井の母が口を挟んだ「鶏ぃ? 今年は卯年だろ」。父母と息子は大笑い。
いつになったら息子のマックスパワーを見ることができるのやら。アノ室井佑月が挫折に弱い息子との日々を描いたエッセー。(毎日新聞出版 1400円+税)