「金曜日の本屋さん」名取佐和子著

公開日: 更新日:

 大学生の倉井は、「読みたい本が見つかる本屋」とネットで噂の「金曜堂」を訪ねる。北関東のとある駅の中にあるその店は、小さくて、とても探している本があるとは思えない。倉井が探していたのは、高校生のときに父の蔵書から持ち出してなくしてしまった庄司薫の「白鳥の歌なんか聞こえない」という本だった。入院中の父から「読みたいから返してくれ」と言われたので、買い直して届けても、「これじゃない」と突き返されてしまったのだ。事情を知った店長の槇乃に案内された書店の地下には、計画倒れに終わった地下鉄のホームを利用した広大な書庫が広がっていた。

 不思議な本屋を舞台に人と本との出合いを描く連作短編集。

(角川春樹事務所 600円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    僕の理想の指導者は岡田彰布さん…「野村監督になんと言われようと絶対に一軍に上げたる!」

  4. 4

    永野芽郁は大河とラジオは先手を打つように辞退したが…今のところ「謹慎」の発表がない理由

  5. 5

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  1. 6

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  2. 7

    威圧的指導に選手反発、脱走者まで…新体操強化本部長パワハラ指導の根源はロシア依存

  3. 8

    ガーシー氏“暴露”…元アイドルらが王族らに買われる闇オーディション「サウジ案件」を業界人語る

  4. 9

    綱とり大の里の変貌ぶりに周囲もビックリ!歴代最速、所要13場所での横綱昇進が見えてきた

  5. 10

    内野聖陽が見せる父親の背中…15年ぶり主演ドラマ「PJ」は《パワハラ》《愛情》《ホームドラマ》の「ちゃんぽん」だ