北朝鮮の危険な動き 先入観にとらわれない真実の姿

公開日: 更新日:

「父・金正日と私-金正男独占告白」五味洋治著

 スパイ映画もどきの手口で暗殺された金正男。本書は04年に彼と偶然、北京の空港で遭遇し、それを機に独占インタビューを果たした東京新聞記者によるルポ。メールのやりとりは150通以上に上り、長時間の独占インタビューも2回にわたる。その詳細な記録が本書。12年にいったん単行本化され、昨秋文庫化された。著者によると何かと評判のよくない金正恩に手を焼く中国も、正男を保護することで「おまえの代わりはいるのだ」という無言の圧力になるのを計算済みなのではないかという。とすれば今回の正男暗殺は“中国カード”を排除するための正恩必死の一手ということになるだろう。

 ギャンブル好きで東京ディズニーランドマニアの正男は、もう永遠に戻ってこない。(文藝春秋 700円+税)

【連載】NEWSを読み解く今週のキーワード

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    僕の理想の指導者は岡田彰布さん…「野村監督になんと言われようと絶対に一軍に上げたる!」

  4. 4

    永野芽郁は大河とラジオは先手を打つように辞退したが…今のところ「謹慎」の発表がない理由

  5. 5

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  1. 6

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  2. 7

    威圧的指導に選手反発、脱走者まで…新体操強化本部長パワハラ指導の根源はロシア依存

  3. 8

    ガーシー氏“暴露”…元アイドルらが王族らに買われる闇オーディション「サウジ案件」を業界人語る

  4. 9

    綱とり大の里の変貌ぶりに周囲もビックリ!歴代最速、所要13場所での横綱昇進が見えてきた

  5. 10

    内野聖陽が見せる父親の背中…15年ぶり主演ドラマ「PJ」は《パワハラ》《愛情》《ホームドラマ》の「ちゃんぽん」だ