「毒出しうがい」照山裕子著
人間の口の中には約300種、数にして1000億~6000億もの細菌がすみついている。このうち8割は悪さをしないが、食べかすが残っていると、その糖分を餌にして虫歯菌や歯周病菌などが増殖。8時間ほどでプラークと呼ばれる塊を作り、どんどん増殖して口内環境を悪化させる。
プラークは歯磨きで取り除くことができるが、すべての歯と歯の隙間まで完璧に磨くのは困難だ。最近では、口内環境の悪化が動脈硬化や認知症のリスクを高めることも分かっており、歯のケアの重要性が叫ばれている。
そこで歯科医の著者が推奨しているのが、食後の「毒出しうがい」だ。まず、口に含む水は30ミリリットル程度。多くても少なくても効果が薄れるので注意したい。
そして、口に含んだ水を上の歯に向けて、クチュクチュとできるだけ大きな音を立てながら、10回強くぶつけるようにしてうがいする。水を吐き出したらまた新しく水を含み、同じように下の歯、右の歯、左の歯と順番に行えば終了だ。
ばい菌やその餌を口の中から洗い流せば、プラークの原因をもとから断つことができる。食後の新しい習慣にしてみては。(アスコム 1200円+税)