都議選大勝利でいよいよ「小池ファースト」時代が到来か?
「徹底追及 築地市場の豊洲移転」赤旗編集局著
徹底追及のはずが、いつしか小池都知事の中途半端な「築地・豊洲併用論」に落ち着きそうな市場問題。本書は移転計画の不明朗から食の安全問題まで一貫した追及の手を休めない「赤旗」連載の単行本化。
日本共産党都議団の動向を主軸にしてあるのは党機関紙ならではだが、内容はむしろ地道な調査報道で、小池都政にかぎらず歴代都知事時代からの豊洲移転問題の暗部が明らかにされている。石原元都知事の責任は重大だが、移転延期を決断した小池都知事もかねての持論というのは疑わしい。
しかし本書は臆断や軽率な批判に走らず食の安全を危惧する市場関係者の努力を重視している。(新日本出版社 1200円+税)