「1分で『聞こえ』が変わる耳トレ!」小松正史著、白澤卓二監修

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 加齢に伴い体は衰えるものだが、ウオーキングや筋トレを習慣にすることで衰えに抵抗することは可能だ。では、耳はどうだろう。こちらも加齢に伴い“耳が遠くなる”という現象が起きるが、実は筋力などと同じように聴力を鍛えることは可能であるという。

 本書はCD付きで、耳のトレーニングに役立つさまざまな音が収録されている。例えば、水滴が落ちる音。“ポタリ”と低い音と、“ピチョン”と高い音が同時に聞こえてくるため、低い音か高い音、どちらかだけに集中し、何滴落ちたのか数えていくのだ。

 このように、音に集中して聞き分けるトレーニングを積むことで、聴覚が鍛えられる。他にも、葉擦れや川のせせらぎにあふれた「森の音」から、小鳥のさえずりだけに集中したり、だんだん小さくなっていく音が“消える瞬間”を感じ取るなど、さまざまなトレーニングの音が収録されている。各トレーニングにはQRコードも付いており、スマホをかざせばいつでも音を聞いて耳を鍛えることが可能だ。

 聴覚刺激は、脳の1カ所だけでなく網の目のように脳全体に送られるため、音を聞き取ることは脳を活性化させることに役立つ。逆に、聴覚の衰えを年齢のせいだと放置していると、脳の働きが停滞して認知症につながるリスクも高まる。

 いつの間にかテレビの音量を上げていたり、後ろから来た車に気づきにくくなったら聴力が衰えている証拠。今すぐトレーニングを始めよう。

(ヤマハミュージックメディア 1500円)

【連載】長生きする読書術

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