「ゲノム操作食品の争点」天笠啓祐著
現在、ゲノム編集などの新しい遺伝子操作が進められ、作物の開発だけでなく、人間の受精卵に対するゲノム編集操作なども行われている。遺伝子組み換え作物は同じ性質をもつ種子を作らないため、毎年、種を購入しなくてはならず、メガ合併で巨大化した種子メーカーの企業支配が進む。
安倍政権は民間企業の開発促進を名目に主要農作物種子法を廃止し、農業競争力強化支援法を打ち出した。だが、主要作物の種子を公的に守ってきた種子法が廃止されることで、多国籍企業による食糧支配を招くおそれがある。また、個人情報保護法の改正により、逆に個人の遺伝情報が企業に利用される可能性がある。
ゲノム操作技術への警告の書。(緑風出版 1800円+税)