「触法少女 誘悪」ヒキタクニオ著
自分を虐待した母親を殺害した九子は、1年10月で女子少年院を仮退院する。退院当日、面会に現れた警視庁捜査1課の女刑事・朝霧から、九子に心酔していた里実が1年前に自殺したことを告げられる。朝霧によると、事件後、矯正施設に送られなかった里実は、ネットリンチに遭い、自死に追い込まれたらしい。さらにネットでは九子の話題で大騒ぎになっているらしい。
少年院の前には、九子を迎えるため、養護施設の園長・佐伯とともに大勢の人間が集まっていた。年齢も職業もさまざまな彼らは、九子を支援するサイトに集まった有志だという。
ネットにうごめく悪意に立ち向かいながら里実の死の真相に迫る九子を描く長編ミステリー。
(徳間書店 720円+税)