「データの見えざる手」矢野和男著

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 著者は人間の行動や社会現象を計測し、記録するセンサーテクノロジーとその応用を研究。自らもリストバンド型のウエアラブルセンサーを装着して、24時間365日、左手の動きを記録し続けてきた。集まった膨大なデータを解析すると、腕の動きの回数分布は、原子のエネルギー分布と同じ式で表されたという。つまり、人は自分の意志や思いで、自由に自分の行動を決めていると考えているが、実際は無意識のうちに科学法則に制約されているというのだ。

 他にも、名札型のセンサーを装着した実験などから、人の身体運動に秘められた意味を解読することで、働く人の幸福度と生産性を同時に制御することに成功したという。AIやビッグデータを生産性向上につなげた研究成果をまとめた名著の文庫化。(草思社 850円+税)

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