「はじめての日本美術史」山本陽子著

公開日: 更新日:

 飛鳥・奈良時代の仏像をはじめとする美術は、朝鮮半島や中国の模倣から始まったという。たとえば法隆寺の百済観音像は、日本ではめったにお目にかかれない、ほっそり形。これは仏教が流行し始めた後漢から魏晋南北朝時代、漢民族の間で高貴な人や知識人の理想像が精神性を重視するなよなよした体形だった影響なのだ。

 他にも、東大寺の金剛力士立像2体は運慶が属する慶派がわずか69日で造立、江戸時代に活躍した絵師・東洲斎写楽は10カ月で姿を消したなど、飛鳥時代から近代まで、誰もが知る有名作品とともにその誕生エピソードなどを解説する美術ガイド本。 (山川出版社 2000円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド