「ブルーブラッド」藤田宜永著
終戦直後の昭和20年秋、軽井沢の山荘に疎開していた子爵の貝塚夫妻が、見知らぬ男によって射殺された。第一発見者は、メイドの八重。しかし、事件後、八重は姿を消してしまう。
3年半ぶりに日本の地を踏んだ一人息子の透馬は両親の死を知り、八重の捜索のため東京に出る。
上京してしばらく経ったある日、透馬は若い外国人に襲われる女性に出くわし、男ともみ合っているうちに拳銃で男を殺してしまう。助けた女性は、偶然にも捜していた八重だった。詳しく事情を聴いた透馬は、犯人のドイツ人捜しを始める。
戦後の日本を舞台に、ナチスの隠し財産をめぐる国際諜報機関の謀略戦を描いた大作。
(徳間書店 2000円+税)