「最強の医師団が教える 長生きできる方法」坂本昌也ほか著
巷にあふれる膨大な健康情報。どれを信じてどれを実践すればいいのか、素人には判断が難しい。そこで本書では、誤った情報を正しながら本当に健康長寿につながる情報をピックアップ。糖尿病研究の旗手や前立腺がん腹腔鏡下手術の世界的権威、関節痛最先端再生医療の第一人者など、10人の医師の知見と科学的エビデンスから食事や生活習慣の方法を伝授している。
近年ゼロカロリーの食品や飲み物がたくさん売られているが、痩せたいからといってこれらを好んで口にしている人は要注意。ゼロと表示されていても完全にゼロでないものが数多くあり、さらにはゼロカロリーに含まれる人工甘味料が糖尿病の発症に影響するということが動物実験レベルで明らかになっているという。ゼロといううたい文句に惑わされてバランスを考えずに摂取するのは良くないと本書。
運動習慣と心疾患の因果関係に関する大規模調査では、まったく運動しない人の死亡率が一番高く、週に1回運動するとグンと下がり、2回、3回と増えるに従い死亡率が下がることが分かっている。ところが、週6日以上になった途端、死亡率が上昇することも明らかになっているのだという。この結果は、運動によりたまった疲労を回復しないと免疫機能に悪影響が及び、寿命を縮めてしまうことを示唆している。健康のために運動するなら、週6日を超えてはいけない。
ほかにも、15時までに15分から20分以内の昼寝をすると健康長寿につながる、楽しいと感じない脳トレは認知機能改善に効果なし、寝る前のコップ1杯の水は良質な睡眠を妨げるなど目からウロコの新常識が満載。健康長寿への努力は確かな情報をもとに行いたい。
(アスコム 1400円+税)