「京成はなぜ『国内最速』になれたのか」草町義和著

公開日: 更新日:

 都心と成田国際空港を結ぶ成田スカイアクセス線を走る特急「スカイライナー」の最高速度は時速160キロ。これは、新幹線を除き鉄道では日本最速だ。この路線を運営する京成電鉄は、コロナ禍によって苦境に立たされている。同社の運輸収入の3分の1が成田空港アクセス輸送に由来しているからだ。感染拡大までは利用客は順調に増加していたが、2020年度上半期には定期外旅客の平均単価が大手私鉄16社中でも最大の32%も減少した。

 しかし、同社の試練は、これが初めてではない。戦前は並行する国鉄線との競合や都心乗り入れ計画の難航、そして戦後は成田空港の建設反対運動に巻き込まれ、不動産投資失敗による経営の悪化などもあった。

 そんな同社の110年の歴史をたどる企業物語。

(交通新聞社 990円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人今季3度目の同一カード3連敗…次第に強まる二岡ヘッドへの風当たり

  2. 2

    大阪・関西万博の前売り券が売れないのも当然か?「個人情報規約」の放置が異常すぎる

  3. 3

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  4. 4

    ヤクルト茂木栄五郎 楽天時代、石井監督に「何で俺を使わないんだ!」と腹が立ったことは?

  5. 5

    バンテリンドームの"ホームランテラス"設置決定! 中日野手以上にスカウト陣が大喜びするワケ

  1. 6

    菜々緒&中村アン“稼ぎ頭”2人の明暗…移籍後に出演の「無能の鷹」「おむすび」で賛否

  2. 7

    巨人「先発6番目」争いが若手5人で熾烈!抜け出すのは恐らく…“魔改造コーチ”も太鼓判

  3. 8

    ソフトバンク城島健司CBO「CBOってどんな仕事?」「コーディネーターってどんな役割?」

  4. 9

    テレビでは流れないが…埼玉県八潮市陥没事故 74歳ドライバーの日常と素顔と家庭

  5. 10

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ