「哲さんの声が聞こえる」加藤登紀子著

公開日: 更新日:

 中村哲がアフガニスタンの診療所に赴任するきっかけになったのは、1978年、ヒンドゥクシュ山脈のティリチ・ミールに登る登山隊に参加したことだ。その途上で診療活動をしたが、増え続ける患者に治療が追いつかない。山の圧倒的な美しさと、病院がなく見捨てられた人びとへの思いから、その後、たびたびパキスタンを訪れる。

 8年後、パキスタン北部の難民キャンプでの巡回診療などを経て、アフガニスタンの山岳部に診療所を開設。だが、砂漠化が進むアフガニスタンの再生には農村の回復が必要だと考えた中村は、白衣を脱ぎ、用水路の建設のために現場の陣頭指揮に立つ。

 ほろ酔い募金で中村哲を支援した著者が中村の思いを伝える一冊。

(合同出版 1870円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」