<52>鬼瓦みたいな表情の彩子と目が合う
十八時半、雨脚が強くなってきた。
桃地は落ち着かない気持ちで、講堂入口のホールに立っていた。中から和太鼓の音が聞こえてくる。
女子学生が中心の和太鼓班が『水軍』という曲を演奏している。強弱とテンポで大波と小波を表現する。小太鼓の軽快なリズムは、波を押しのけて前へ…
この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。
(残り1,270文字/全文1,410文字)
【ログインしていただくと記事中の広告が非表示になります】