「アンチ整理術」森博嗣著
仕事場はいつも散らかり放題。整理する時間があったら、創作や工作に少しでも費やしたい、無駄なことに時間を使うのはバカげていると語る人気作家が、整理を切り口に説く生き方指南。
そもそも、整理・整頓はなぜ必要とされているのか。その効果は精神的なものでしかないと指摘。自分で買ったものは、将来役に立つ可能性があり、断捨離などもってのほか。話題の「終活」も死後に自分の持っているものを処分する権利は子供にあるので、どうにでもしてもらえればよい。
大事なのは自分の気持ちの断捨離、終活はまず死ぬ覚悟をしておくこと。そしてその次に不要な人間関係の断捨離へと進むべきだと説く。
「ものは散らかっているが、生き方は散らかっていない」と語る著者の言葉の数々に納得。
(講談社 726円)