「減速する素晴らしき世界」ダニー・ドーリング著 遠藤真美訳

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 過去160年で世界の人口は急増したが、現在、世界の人口増加ペースはスローダウンしている。人口だけではなく、すべての側面でスローダウンが進む。特にヨーロッパ、南北アメリカ、極東で人口が減少している。

 人口の減速は経済や社会の停滞をもたらすが、停滞は悪だと考えるべきではない。ほとんどの人の生活は良くなると予測される。過酷な仕事は減って、社会は安定へと向かう。スローダウンの時代には、大加速期のように一握りの人が大勢の人を踏みにじることは難しくなる。スローダウンの時代の地政学は、これまで無視されてきた貧しい人びとの地政学なのだ。

 すべてが加速していた時代の終焉(しゅうえん)を見据える一冊。

(東洋経済新報社 3080円)

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