「完全犯罪の恋」 田中慎弥著

公開日: 更新日:

 47歳の作家・田中は、月1回、編集者に会う前に新宿のデパートの休憩スペースで時間を潰す。

 ある日、目の前を通り過ぎた若い女性に見覚えがあった。翌月、再び現れたその女性に思わず声をかけると、彼女は田中が高2のときに交際していた緑の娘・静だと名乗る。言われてみれば、少し離れている目が緑に似ている。

 30歳過ぎまで郷里の下関で暮らしていた田中だが、高校を卒業後、緑には一回も会っていない。静によると緑は離婚をしたらしい。静から「母がどうしてああなったのか、本当のことが知りたい」と頼まれた田中は、2人が交際することになったきっかけから、「あいつ」のせいで別れた経緯まで話して聞かせる。

 現在の東京と30年前の下関を行きつ戻りつしながら進む恋愛小説。

(講談社 649円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    美川憲一「もういいわ」和田アキ子「ありえない」…切り捨てた重鎮に見捨てられたNHK紅白の末路

  2. 2

    「重圧は言い訳にならない」とバッサリ、体操界レジェンド池谷幸雄氏が語る「エース不在」の影響

  3. 3

    オリンピアンの大甘同情論に透ける「特権意識」…血税注ぎ込まれているだけに厳罰必至の当然

  4. 4

    悠仁さまが“定員3人”の狭き門・筑波大AC入試も余裕でクリアできるワケ…9月初めにも明らかに?

  5. 5

    体操界は飲酒喫煙「常態化」の衝撃…かつてスポンサー企業もブチギレていた!

  1. 6

    パリ五輪辞退の宮田笙子は再起できるのか…境遇が重ねられるバトミントン桃田賢斗はその後

  2. 7

    ひっそりと存在消された NHK“車上不倫”人気アナカップル

  3. 8

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  4. 9

    美川憲一がジャニー氏性加害問題に言及した重み…“オネエキャラ”転身までの苦難の道のり

  5. 10

    スピードワゴン小沢一敬は松本人志と一蓮托生で復帰不可能か…幸せの骨頂の相方とは絶望的格差