「わたしのペンは鳥の翼」 アフガニスタンの女性作家たち著 古屋美登里訳

公開日: 更新日:

 そのほか、苦しい暮らしの中でも美しい赤いブーツに少女が自らの矜持を託す「赤いブーツ」、周囲の皮肉や嘲りをものともせず、洪水を避けるために黙々と水路を掘り続ける老婆を描いた「アジャ」など印象深い作品もある。

 本書には18人の「作家紹介欄」が付されていない。短編が書かれた時期のアフガニスタンの状況下においては経歴を記すことが彼女らに危険を及ぼすからだ。それでも彼女たち全員、今でも書き続けているという。

 いつか、自分たちの母語で周囲の人たちに読まれる日が来ることを祈りつつ。

 <狸>

(小学館 2310円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情