「ナチズムの美学」ソール・フリードレンダー著 田中正人訳

公開日: 更新日:

「ナチズムの美学」ソール・フリードレンダー著 田中正人訳

 第2次世界大戦後、ナチスの行ったことすべてが非難され、彼らを思い起こさせるものはすべて取り除かれた。しかし、60年代末以降、ヒトラーやナチス、そして彼らが行ったホロコーストを題材とする映画や文学作品、回想録などが登場した。

 本書は、そうした作品を読み解きながら、当時のドイツ国民を熱狂させたナチズムの魅惑力を分析したテキスト。

 ユルゲン・ジーバーベルク監督の7時間近くに及ぶ大作「ヒトラー、あるいはドイツ映画」(1977年)など、多くの映画を取り上げ、ナチズムの魅惑力の根源が「キッチュと死」という相反するモチーフであると指摘。さらにヒトラーのイメージの二極性、ナチズムとエロチシズムの親和性などを論じたナチズム研究の古典的名著。

(筑摩書房 1210円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊川怜の元夫は会社が業績悪化、株価低迷で離婚とダブルで手痛い状況に…資産は400億円もない?

  2. 2

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  3. 3

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  4. 4

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  5. 5

    斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑

  1. 6

    渡辺裕之さんにふりかかった「老年性うつ」の正体…死因への影響が報じられる

  2. 7

    水卜ちゃんも神田愛花も、小室瑛莉子も…情報番組MC女子アナ次々ダウンの複雑事情

  3. 8

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 9

    菊川怜は資産400億円経営者と7年で離婚…女優が成功者の「トロフィーワイフ」を演じきれない理由 夫婦問題評論家が解説

  5. 10

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”