損害額30億円の巨額詐欺事件に巻き込まれた 矢沢永吉
<1998年1月>
大晦日の紅白にも出場し、多くのファンに支持され続ける矢沢永吉。これまで売り上げたレコード枚数やその稼ぎは莫大だが、かつて30億円以上もの巨額詐欺事件に巻き込まれたことがある。
98年1月、オーストラリア連邦警察は矢沢(当時48)がオーストラリアにつくった現地法人の元役員(当時51)と、矢沢の個人事務所「音」の元経理責任者(当時63)とを横領容疑で逮捕した。
この2人は独断で別件のリゾート開発事業に投資するため、矢沢が購入したオーストラリアのリゾート、ゴールドコーストの土地を無断で金融機関に担保に入れ、融資を受けていた。だが、バブル崩壊のせいもあって投資は失敗する。結局、矢沢の土地は競売にかけられ、第三者に売却されてしまった。矢沢側には現地の銀行名義の偽造のリポートを送ったり、別会社を設立して資金の流れを不明瞭にしたりで手口は巧妙だった。
矢沢の著書「アー・ユー・ハッピー?」によれば、「身内に横領されていた。被害総額は30億円以上。やつらは絶対にばれないように仕掛けを二重三重に張り巡らせていた。うたがえなかった」という。