飯能市立図書館(埼玉県)館内に直径50cm、長さ10mの杉のみがき丸太が26本
埼玉県南西部を流れる入間川、高麗川、越辺川に隣接する森林で育った杉や桧は「西川材」と呼ばれる。
江戸時代、城下町の建設用に材木を筏に載せて運搬。江戸の西の川から来る材という意味でこの名が付いた。
この西川材をふんだんに使用して2013年に開館したのが飯能市立図書館だ。
「西川材はゆっくりと成長するため、木目が詰まっていて堅く、品質が良いのです。図書館用に飯能の山から切り出した直径50センチ、長さ10メートルの杉のみがき丸太が館内に26本、屋根を支える部分なども含めて計130本の西川材が使われています」と、司書の竹井順子さんが建物の特徴についてこう続ける。
「天井が高く、大きな窓ガラスに囲まれているので、自然の光が降り注ぐ森の中の図書館というイメージです。遮光ルーバーにも西川材を使用、季節や時間帯を加味して角度を決めているため、年間通して適度な明るさが保たれています。落ち着いた雰囲気の中で読書を楽しんでいただけると思います」
1階には「新聞・雑誌コーナー」「郷土資料コーナー」、床が西川材のフローリングで幼児などが靴を脱いで利用する「はいはいコーナー」、「グループ学習室」など。社会人専用の「学習室」と「読書室」(1人3時間まで)があるのはうれしい。
2階には学習席(45席)の他、テーブルとイスの置かれたロビー(12席)があり、そこでは飲食ともに可能だ。