TVから消えた戦場カメラマン渡部陽一氏は何をしている?
「戦場カメラマンの一番の願いは失業することだ」――。取材中に戦地で散った写真家、ロバート・キャパ(享年40)の名言である。
ウクライナ・クリミア半島、シリア、中国雲南省、北朝鮮……。世界のあちこちでキナ臭さが増している。危険を覚悟で現地を取材するジャーナリストの仕事の重みも増すが、日本で一番“有名”な戦場カメラマンといえば渡部陽一氏(41)。
3年ほど前にタレントとしてブレークすると、テレビ出演が激増。「笑っていいとも!」(フジテレビ系)のレギュラーにもなった。最近はテレビで見る機会がめっきり減ったが、やはり戦場カメラマンの血が騒ぎ、ウクライナや中国に行っているのだろうか? 所属事務所に聞いてみると……。
「昨年はシリアやアフガニスタンに行って、本来の取材活動もしていますが、今は日本にいます。主に小学校、中学校、高校や企業で講演会をやっているんです。現地で見たこと、聞いたこと、各国の文化を伝えています。東京だけじゃなく、日本全国を回っています。写真展をやったり、一時期に比べたら回数も減りましたが、スケジュールが合えばテレビにも出ると思います。まあ、なかなか合わないですが。今の仕事の割合は講演会が多いと思います」
世界の紛争地域の「今」を写真に収めるのが戦場カメラマンの本分だが、渡部氏は講演会で「安全最優先で動いています。家族が第一、仕事は第二」と話している。