昭和最後の「完全試合」今井雄太郎さんは食堂手伝いで大忙し
取材に応じつつ、客の注文を聞き、料理を運ぶ。
「プロ野球の選手は成績を残せば、誰も文句はいわない。しかし、客商売はそうゆうわけにはいかん。今の自分みたいに誰にでも愛想良くせんといかんし、頭も下げんとね。変なプライドは捨て、すべてに一生懸命やるのは大変な分、カッコいいと思うようになったわ」
福岡放送の人気バラエティー「ナイトシャッフル」のレギュラーでもある。
「フルマラソンやトライアスロンに挑戦したり、釣りに行ったりする。釣りの場合、何も釣れんと放送できんばってん。罰ゲームをやらされるんや。ニュージーランドにロケに行ったときは、バンジージャンプをやらされた。スズメバチの巣を処分するなんてのもあったな」
さて、新潟県長岡市出身の今井さん、高校卒業後、国鉄の新潟鉄道管理局で列車の連結の仕事をしながら、野球部で活躍。70年、ドラフト2位で阪急(現オリックス)に入団した。
「契約金は確か800万円だった。当時の月給が2万円。ずいぶんな大金だよ。けど、飲んだり食ったりして、実家の屋根を修繕したらなくなった」