夏目&有吉騒動で知れ渡った“芸能界のドン”の権力と素顔
もともと、GS全盛時の「ザ・スパイダース」リーダー兼ドラマーだった田邊氏。堺正章、かまやつひろし、井上順ら癖のあるメンバーを時には鉄拳まじりで統率。ホリプロを経て引退から3年後の73年4月にスパイダクションを改組して田辺エージェンシーを設立。研ナオコやタモリらを発掘するなど裏方としての才能を開眼させた。
「芸能プロが何たるかを熟知していて、昔からわれわれはレコードではなく代役のきかないタレントを売るのが商売だと言ってました。のちにデキ婚して妻となった小林麻美に関しては早くから目をかけていて、彼女の実母が亡くなった時、喪服は和装を用意しろと指示を出したのは田邊さん。黒髪ロングでアンニュイな雰囲気の小林のビジュアルが最高に映えるのは着物だと踏んだわけです。実際、遺骨を抱える和装の小林の姿は女性誌のグラビアに大きく取り上げられて反響を呼びました。いまも『あさチャン!』に出演している夏目の短い髪形にこだわっていると聞くと、さすがだなという思いです」(前出のベテラン記者)
芸能界で圧倒的な発言力を有する「(財)日本音楽事業者協会」会長も歴任。