不遇かこつ大木こだま励ましたカウス師匠30年前の“予言”
そんなこんなの再デビューやったけど、すぐには芽は出んかった。寄席でひたすら勉強させてもらい、時には阪神・巨人さん、のりお・よしおさんらの代演。先輩芸人さんやスタッフのみなさんに顔覚えてもらおう思て、新喜劇にも出たり。そんな時のカウス師匠からの励ましやったんです。
そうしたら87年に「上方漫才大賞」奨励賞をいただきましたんや。それでも「まだまだ。甘えとったらいかん」思うて、ネタに磨きかけてましたら、3年ほどしてカウス師匠が「お、銭のにおいがしてきたな」とおっしゃった。
ホンマでした。91年に「上方お笑い大賞」金賞受賞ですわ。そして「もう一息」、こう思うて頑張ってたら96年に「上方お笑い大賞」「上方漫才大賞」をダブル受賞……。それからも舞台の袖で見てはって「あのリアクションはこうしたほうがエエよ」とか「あそこは声のトーン、下げんと、上げたほうがオモロイで」とか、細かいとこまでアドバイスしてくれはるんです。やってみたら確かにウケがいい。さすがですわ。
プライベートでは年に1、2回食事に行くぐらいですけど、師匠のおらん僕らにとってみたら師匠の代わり。ホンマ、ありがたいもんですわ。