契機は1枚のチラシ 重田千穂子が語る熊倉一雄さんへの恩

公開日: 更新日:

 それから10年、いろんな舞台に出ましたが、やっぱりエコーの喜劇がやりたい、熊さん、納谷(悟朗)さんとちゃんと芝居ができていなかったという後悔が湧いてきて、ある日、2人に「戻りたいんですけど」と電話しました。

 納谷さんは「おお、いいぞ、戻って来いよ」と簡単に言うし、熊さんは「そっかそっか、そうしなさい」って。普通の劇団は一度退団したらそれでおしまい。それが「いいよいいよ」ですからおふたりの度量の広さには本当に感謝してます。しかも復帰作では熊さん演出の主役でしたから足を向けて寝られません。

 復帰後は熊さんが亡くなる前年の「遭難姉妹と毒キノコ」まで何度も共演させていただき、身近で喜劇の感性を学ばせていただきました。いつも品よく、若手にも気を使わせない人でした。そんなに面と向かって親密に接していなくても、今になってみると、早くに父を亡くした私にとっては本当の父のような人だったなあと。先日「父の日」には思い出してつい奥さまに電話しちゃいました。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」